新型コロナウイルス検査、その2、PCR検査についてもう少し詳しく
新型コロナウイルス検査、その2、PCR検査についてもう少し詳しく
皆様こんにちは!
新型コロナウイルスのPCR検査には、①鼻咽頭ぬぐい液によるPCR、②唾液によるPCR、③ビジネス渡航者向けのPCR検査があります。今回はこの3つの新型コロナウイルスPCR検査について話させていただきます。
目次
1,鼻咽頭ぬぐい液によるPCR検査
2,唾液によるPCR検査
3,ビジネス渡航者むけのPCR検査
1,鼻咽頭ぬぐい液によるPCR検査
鼻から先端にスポンジや綿球がついている細い棒(スワブといいます)を鼻の奥まで入れて数回擦るようにしてとってきた液体、これを咽頭ぬぐい液といいます。この液体で行うPCR検査です。テレビで時々放映されているドライブスルー方式で用いられている方法です。
感度が高く発症早期から10日以降も現在感染しているかの判定に用いられています。
テレビでご覧のように採取の時完全防御の重装備が必要で、一般のクリニックでできるところは少ないです。(健康保険適応)
2,唾液によるPCR検査
発症してから9日間程度は唾液でのウイルス検出率が高いことが報告され。くわえて発症後10日目以降の唾液についてはウイルス量が低下することが知られるようになり、厚生労働省が6月2日から発症して9日までは唾液を用いたPCR検査を認めました。(健康保険の適応になりました)
これは医療者にとってはとてもありがたいことでした。なぜなら、鼻咽頭ぬぐい液の採取は、時に激しい咳を誘発するため、検体採取時は、感染予防のためマスク、ゴーグルかフェイスシールド、長そでガウン、手袋と重装備が必要でした。
唾液の検査は、換気が良くて、他人がいないところで静かに試験管などにとっていただき、その試験管を、マスクと手袋で受け取れば済みます。院内感染の危険がほぼないです。
問題点は、最初に書いたように発症後9日間しか唾液は検査に用いることができません。現在唾液によるPCR検査が出来るクリニックが増えています。
3,ビジネス渡航者向けのPCR検査
国際的な人の往来再開が準備され、第一弾としてベトナム、タイ、豪州、ニュージーランドが想定されています。日本人が海外へ出かける場合、在日大使館にて査証など申請に加えて出国前の新型コロナウイルスPCR検査陰性証明が必要になります。
基本的に健康な人への検査で自費検査になります、英語の陰性証明書がついて安いところ3万円、高いところで4万円のところもあります。
日本渡航医学会の証明書発行マニュアルによると現時点では、ビジネス渡航者向けの新型コロナウイルス陰性証明書は鼻咽頭ぬぐい液によるPCR検査となっています。これは、世界標準が鼻咽頭ぬぐい液だからです、今後変わるかもしれませんが受診予定のクリニックが鼻咽頭ぬぐい液による検査なのか確認してください。
以上、新型コロナウイルスの三つのPCR検査について話してきました。ポイントは、発症9日以内は唾液によるPCR検査が保険適応となり検査可能な施設が少しずつ増えています。
一方風邪症状発症10日以降の場合は鼻咽頭ぬぐい液によるPCR検査となります。それでも少し前よりは検査できる施設が増えています。
ビジネス渡航者向けのPCR検査による新型コロナウイルス陰性証明書は、鼻咽頭ぬぐい液によるPCRを行っている施設が発行する証明書が間違いないと考えます。
ありがとうございました!!